児童自立支援専門員・児童生活支援員

福祉の仕事の中で、非行少年の社会的自立を支援する仕事に「児童自立支援専門員」「児童生活支援員」があります。

「児童自立支援専門員」「児童生活支援員」は、以前は「教護」「教母」と呼ばれていましたが、1998年に改められました。

窃盗や喫煙、飲酒などの非行に走ったり、またはこれらの非行に走るおそれのある児童や、保護者の監護が適切でない家庭環境にある児童が入所するところが児童自立支援施設です。
そこで、児童の生活・学習・職業指導を行ない、社会的な自立を支援するのが児童自立支援専門員で、生活支援を行なうのが児童生活支援員です。

これらの仕事に従事する人は、「家庭舎」と呼ばれる寮に住み込みます。
そこで、一般家庭に近いかたちの小集団の中で、親代わりとなって、児童と寝食をともにしながら様々な指導を行ないます。

入所している児童は、社会に不信感を抱いていたり、親の愛情に飢えている場合が少なくありません。
そうした児童に対し、その原因を深く追求し、社会へ適応できるように根気強く指導していきます。
また、医師や教員とも協力し、家庭舎を退所してからも集団生活に耐えうる強い人間に成長していくよう援助します。

以上のように施設内で児童とともに生活しながら指導にあたる24時間の住み込みが勤務体制の基本です。
しかし福祉の現場でよく問題となる閉鎖性が強くなるため、最近では勤務形態の見直しが求められるようになってきています。

これらの職種で就職するには、一般的に児童自立支援専門員は児童指導員任用資格を、児童生活支援員は保育士資格を取得します。
そして、児童自立支援施設はほとんどが公立のため、各都道府県が独自に行なっている採用試験に合格すること、私立の施設の場合には、各施設ごとに行なわれる採用試験に合格しなければいけません。

少年非行が増加する中、児童自立支援専門員や児童生活支援員の役割はますます重要です。
とは言え、いずれにしても施設数が少なく、職員の募集は欠員補充として出される場合がほとんどですので、現実には採用が厳しい状況です。